クロスセル・アップセルで実現する…売上が下がって、社員が大量離脱する話

men having their haircut

企業収益を最大化させる魔法の言葉

 企業様が多く抱えるニーズの中に、企業収益を最大化させたいと言う命題があります。

 普通に考えると当たり前のお話に聞こえるかもしれません。

 実現方法として『顧客のニーズや嗜好にあった製品をお勧めする事で、顧客一人当たりの収益を上げる・ライフタイムバリューを上げる』と言う方法が思い浮かぶはずです。(顧客のニーズや嗜好にあった製品をお勧めすると言うのが曲者ではあります)

アップセル・クロスセルとは

アップセルとは以下の定義として利用します

自社の既存顧客に対し、いつも購入している商品やサービスを、より上位の高価なものに移行してもらう営業活動のこと

クロスセルとは以下の定義で利用します

いつも購入している商品やサービスに加え、関連するものを組合せで購入してもらう営業活動のこと

実現方法

一般的に、データマイニングの時代から、情報推奨(リコメンダー)と言う技術分野が成立しており、様々な技術が活用されています。ここではざっくりと、amazon.comや amazon.co.jp を見て、何かの製品を選んだ時、この商品を買っている人は、こんな商品も検討しています!と表示されるあれ!と憶えておくと、大きな勘違いにはならないと思います。

詳しくは神嶌 敏弘先生の 推薦システム をご一読いただく事でご理解いただけると思慮します。(少し難しいかもしれませんが、最低限クリアしたい知識になります)

 この分野の技術はビッグデータブーム時期、趨勢を極め、当時腕を競い合っていたベンダー様は全て上場ゴールまでたどり着けている点からも注目度が高かったのは言うまでもありません。

 最終期には、サイジニア様が、複雑ネットワーク理論と言う理論で、レアな製品をレコメンドすると言う技術を発表されていた事を昨日の事のように思い出しますが、当職がFusion-ioに在籍していた時代なので、はるか昔の話だったりもします。

学術的背景 – deqwas

学術的背景のページでは、デクワスソリューションの技術について掲載しています。複雑ネットワーク、Deep Miningによるリアルタイム処理などの独自の技術により、セレンデ…

アップセルが起きると売上が下がる

man taking beard shave
Photo by Mídia on Pexels.com

プールの帰り、子供と髪の毛を切りに行った時のお話、いつもの床屋さんでお話をお伺いしました。

私:『やっぱりカットだけのお客様より、髭剃り、シャンプーとかしてくれるお客様のほうが嬉しいんですよね?』

店員:『いや!カットだけの方が嬉しいっす!ここの系列店カットだけなんですけど、僕そっちに行きたいっす』

あ、、、あれ?分析屋の感性と全く真逆の事言ってる????

私:『だ、、、だって、カット1,200円で、総合だと3,000円、カラーだと6,000円で…売上増えて嬉しいのでは?』

店員さん:『よく考えてください!カットだと1200円だけど、10分もあれば1人回せますよね?総合だと、下手すると30分以上かかっちゃうわけじゃないですか?カラーとかだともっと時間がかかって、お客様を回せなくなっちゃうんですよ?』

私:『としたら何でメニューにしてるんですか?』

店員さん:『お客様のニーズに応えるためで、全然嬉しくないんですよ。やる事増えて大変なだけなんです。僕もカット専門のお店側で空きが出来たら、そっちに行っちゃいたいレベルです♬』

と、実は床屋さんでは、アップセルをすると、特定条件下では売上・利益が減少してしまう事を発見しました

それであれば、単価を上げる等の調整もありそうな物ですが…難しい物ですね。

すきやのアップセル(牛すき鍋事件)

同様のお話は、結構あるお話で、企画部側が『お客様のニーズにあった高額商品!』として肝いりで投入した新商品が、現場オペレーションを混乱させるだけさせきって、と言うお話がありました。参考リンクをご確認下さい

牛すき鍋

まとめ

 クロスセル・アップセルを実施する際は、オペレーション変更が最小になる事を前提にする(基本追加オペレーションが重くならないようにする)

 オペレーション負荷が強い場合はあきらめるか、別の手法を考える(お客様が欲しい!と言ってくれる土壌を作って店員側が売りたい!と言い出す風土を作る等)

 アップセル・クロスセル時の値付けが、メイン商品単体だけを売っていたほうが効率的になるような事態を回避する

と言う点に留意いただく事をご検討いただければ幸いです。(眠くなってきたのでこのへんでw)

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