ChatGPT3、Bing SearchはGoogleをひっくり返すのか?

最強の検索エンジンの誕生

 Googleは1998 年スーザン・ウォシッキーが所有するガレージで法人登記された。ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンが、博士号取得のために開発したページランク アルゴリズムのおかげで、1 日あたり 85 億件の検索クエリがすべてのオンライン検索の 92% を制御し、年々成長し、2022 年には記録的な 2828億2600万ドルの収益を上げています。
 しかし、水面下で見ると、状況は好調な売り上げと比べ、良くはありません。世界一のウェブサイトを外側、内側からゆっくりと蝕む事象が6つ存在します。
 これらはまだ始まったばかりで、本格的な問題になるとは言い切れないのですが、検索エンジン戦争はある日突然、検索エンジンシェアを一変させる可能性も持っています。今回はこの6つの現象を考察します。

 Googleさん本体はというと、ChatGPTをはじめとする生成型AIの生み出す文章によるSEO対策に頭を痛めている事だとは思いますし、今後記事量が想定以上に増えてくると、ユーザーにとって重要な情報が死滅してしまう訳なので、Googleさんが心配しているのは、Bing Searchではなく、この無駄に増加してしまっているSEO対策文章群なのかもしれないと考えています。


 検索機能しか提供していなかった技術ギークのメッカであるGoogleがポータル戦争を制覇し、インターネット広告業界の覇者になったのは本当にびっくりな事象だったのは、パソコン通信時代からネットの世界にいる小生にとっては、本当に関心する事象でした。
 実際の所、検索シェアを独占できたことと、Overture技術をパクって和解できたこと、adwordsとして、Googleの検索結果以外の様々なウェブサイトの中に広告面を確保していったことが大きいと考えています

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インターネット老人が考える、Googleに立ちはだかる問題群

探したい物が見つからない+アドウェアが出てくる

 パソコン通信の時代からインターネットを利用している小生ですが、私の長年のGoogleの検索技術でも、使用するキーワードに関係なく、1回、2回、3回検索を開始しますが、解決策(や欲しい情報)にたどり着くことができない事が増え、twitter上、redditで質問したり、検索するという事が増えてきています。
 特にエンジニアリング関連の情報がハッキングされている事が多く、Sparkがらみのエラーであったり、apache関連な用語であるにも関わらず、広告ですらない純粋な検索結果に、こんな画面が出てくる事が多くなっています。

アドウェアロボット
ウィルス感染の第一歩

 少し脱線して、この子をOKした場合、通知を許可しただけなので、ウィルスに感染した状態にはならないのですが、「通知の表示」の許可をしている状態になるため、作業の邪魔になるレベルで通知がずっと届き続けます。
 問題は、この迷惑通知を削除しようとして色々『検索』をした場合で、確実にアドウェアやトロイをはじめとするウィルスサイトに迷い込み、結果インストールしてしまって、パソコンを破壊するという運命が待ち受けています。

アドウェア
異なる画像パターン

 そもそも、LiveSportStreamOnline、News-capawo.cc、Beta-news.org等この手の危険なサイトを検索結果で表示してくる事自体が変なのですが、googleさんの技術でも定期的にINDEXを保存しているサイトを見回って、管理を行うのは難しいのでしょうか。

 技術的には、マニアックな記事が記載さてれいるサイトが、ハッキングされ、そのうえで、SITEMAPを送らない(Googleさんに気付かれない形)で通知許可ウィルスの機能を仕込むというお話ですが、この広告の運営者は限定されているので、通知ウィルス運営元の通知機能をChromeで弾く等の対策を行うべきだと思うのですが、何故か放置されたままです。

ブラウザの通知機能から不審サイトに誘導する手口に注意 | 情報セキュリティ | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

情報処理推進機構(IPA)の「ブラウザの通知機能から不審サイトに誘導する手口に注意」に関する情報です。

 アンダーグラウンドの違法サイトを見ていて感染した、のであれば、自業自得ですが、普通の人が利用する、検索エンジンがマルウェアに感染しているサイトを検索結果に出力してしまっているのは、余り関心できる状態とは言えないと考えています。

 参考までに、これらのウィルス誘導は、"Thecloudvantnow.com" "www.Thecloudvantnow.com" というドメインから送付されていて、素のURLになる Thecloudvantnow.com にして飛ぶとYahoo.comに飛ぶという始末の悪さですが、ポイントはこの許可自体はウィルスではなく、検索させて、そのあとにインストールさせるソフトがウィルスという点をご留意ください

Community Contentsの勃興

Instagram
WOKANDAPIXによるPixabayからの画像

 20年前のウェブは今とは全く違う場所だと思っているのは私だけではありません。2000年頃のウェブサイトは、独立したウェブサイトと、掲示板、ブログで構成された、小さな町・村に様々な種族が住んでいる、巨大な大陸のようなものでした。代表的なウェブサイトで現存している物と言えば、阿部寛さんのウェブサイトが代表です。今となっては味わい深いですよね。

 また、小渕恵三内閣の肝いりで、2000年12月31日から2001年12月31日まで1年間行われた「史上初」「世界初」のインターネット博覧会が開催されたのですが、今となっては誰も記憶していない盛大な失敗劇だったと言うお話も有名です。
 サイトがあまりにも重すぎて、結果ADSL・ネットカフェが発達した、という説もありますが…

 さて、Googleは様々なレイアウトの異なるスタイルで構築された、混沌とした大量のウェブサイトの中から、ユーザーが探したい物を見つける機能が優れていた事、たくさんの見知らぬ人に自分の情報を見て欲しいと言う、サイト運営者の希望は、ウェブサイト構築者が自らGoogleにINDEXを送るという好循環を作り、(昔はYahoo!に登録してもらうという手作業を頑張っていた時代もありましたね)Googleは圧倒的な勝者になったのでした。

 しかし時が経つにつれ、4つの新しい勢力が現れます。それが2020年以降の4皇となる、Facebook、Twitter、Reddit、Myspaceです。(4皇にしたくて、無理にMyspaceを入れてしまったのは反省しています)

 安定したユーザーを抱え、Googleからの検索流入を期待しないこれらの4皇は、内部生成されたコンテンツをGoogleにINDEXさせる事を拒み始めています。とは言え、コミュニティーサイトの性質を考えても、仕方のない事かもしれませんが…。
 最近の女子高生は情報を検索する時は、twitterを使い、分からない事があれば、twitter上で質問する、というお話を聞いたことがありますが、この流れは徐々に検索にはGoogleを使うと言う文化が崩壊することを意味するかもしれません。
 残念ながら、技術的な情報を確認する時は、Github、Redditで検索し、どうしても不明な事があると、Redditで詳しい人に聞いてしまうというのが最近の最速の調べもの方法だったりするのも最近の傾向かもしれません。


 アメリカでもZ世代の若者のほぼ40%は、例えば昼食の場所を探している時や、多くの基本的な検索のために、Googleを利用せず、tiktok やInstagramを利用するようです。最初は画像での出力だったのですが、今ではビデオによって、今日のインターネットは今まで以上に単に視覚的な利用が行われているようです。

SEO汚染とChatGPT(GPT3/GPT3.5)汚染

SEO
Gerd AltmannによるPixabayからの画像

 企業が、広告にお金を払う代わりに、自社のウェブサイトを検索結果に表示させることが、究極のマーケティングの手段であることに気づくのに時間はかかりませんでした。具体的には、探す側の人が何を探しているかだけに対応したコンテンツを作ることです。うまく行けば、広告費は無料で、自社のウェブサイトに安定したトラフィックを運んできてくれます。

 SEOは、特定のキーワードの検索結果にスポットを当てることだけを目的として、自分のウェブサイトに適切なタイトルと説明を付けることを目的に、企業が何百万もの記事を量産するレベルです。
 そのため、今日のSE市場は、500億ドルと評価されているレベルです。SEOマシンは非常に効率的になり、今では専門のライターを雇うだけで、自社のテーマについて全く知識がなくても、コンテンツを非常に効率的かつ安価に量産可能です。

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 具体的には、クラウドワークスでライターを探して、発注するだけの簡単なお仕事で、医療情報サイト「WELQ(ウェルク)」等が非常に良い事例として、誤った情報を世の中に拡散してしまっていました。
 ごく最近になってからは人を必要としなくなりました。GPT3、GPT3.5を活用した自動コンテンツ生成は、特定の題目を与え、『SEO対策をした記事を書いて』と依頼するだけで、1分もかからずに記事を書きあげます。そこに画像生成AIを活用して画像を作成してPOSTする…。
 つまり、今日の検索結果のほとんどは単にゴミになってしまっています。コンテンツマーケティングのご支援も行っている弊社からすると悲しい現実ではありますが、企画、調査をしっかり行った記事よりも、生成AIや、低賃金ライターが量産したコンテンツの方がSEO受けが良く、大した内容でもないのにサイトにユーザーを呼び込んでしまうという本末転倒な事象があるのですが、これは、コンテンツマーケティング業界にいると痛感する所であり、『きちんと調べて、しっかりした内容を届ける』よりも『対象となるSEO対策をきちんとやって、キーワード設計をして、雑につなぎ合わせた記事を書く』ほうが検索エンジンにとっては好まれるとう悲しい現実が存在ます。
 SEO対策を全く知らずに、調査をきちんと実行し、質の高いコンテンツを作成したい人や興味深い議論をしたい人はGoogleに見つけてもらえない現実に絶望し、サイトの更新を行わなくなってしまう可能性もあります。

アーリーアダプターの離脱

 Googleで検索する習慣というのは、昔はあまり多くなく、Yahoo!での検索が多かったのは事実で、何個か運営してきていたブログや、ウェブサイトのアクセス数をカウントしても、Googleドミナントになるというのは、当時は想像していませんでした。昔のYahoo!はgoo.ne.jpをバックエンドに使っていたり、googleに乗り換えたり、最後は自社解発したりと迷走を続け、その間にGoogleを育てた印象がありますが、やはり、Googleがここまでのデフォルトになりえたのはアーリーアダプターが受け入れた事が大きいと言う印象があります。

検索エンジンの歴史を3分で解説!|デジマケの教科書

GoogleのSEO対策をするうえで理解しておかなければならない検索エンジン。過去から現在までの変遷やアルゴリズムの改善、検索エンジンのシェアなどを解説します。

 彼らがGoogleでのindexingを許容しているredditのコンテンツをGoogleを利用せず、Reddit内で探し物をする癖がつき始めていることを考えると、何かの拍子に市場が大きく動く可能性があります。

モバイルデバイスでの検索エンジンデフォルト戦争

 2007年、現在のGoogleのCEOであるサンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)は、Google Toolbarのプロダクトマネージャーとして働いていたときに、デフォルトであることの重要性を痛感し、Googleの共同創業者たちを説得して独自のブラウザを開発した。これが現在のGoogle Chromeで、MicrosoftがInternet Explorerを引きずって、大失敗している間にWindows用のブラウザー市場の大半を奪い、WindowsはMicrosoftがどれだけEDGEを推奨してもChromeが圧倒的なシェアを持っています。多分、Edgeも標準の検索エンジンをGoogleにさえ切り替えればWindows用のブラウザーシェアは100%Edgeになるのでしょうけど、さすがにMicrosoftさんとしても、ここの部分は折れずに標準の検索エンジンでBINGを使ってきます。BingでGoogleを検索すると、検索広告にChromeが表示されるわけですからどういう導線でユーザーがEdgeから離脱するのかを考えれば、Bingの検索の質がGoogleより『酷い』からというのは自明なのですが…

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2022年6月時点における、日本国内および世界におけるPCおよびモバイルのWEBブラウザシェアの最新ランキングを、それぞれご紹介いたします。

 また、携帯用OS市場では、Microsoftが謎の撤退したことを受け、Android OSとiOSのみとなっているのですが、Appleは意外に強く、Googleは毎年デフォルト検索エンジンの状態を維持するために多大な代償を支払わなければならず、GoogleはすべてのiOSおよびMac OSデバイスのデフォルト検索エンジンをGoogleにする契約を結んでいて、推定では2021年の契約は約150億ドルと推定されています。

 Appleがここ数年検索エンジニアを雇用してきており、一部のiOSやMacの検索で独自の検索エンジンをテストしていることもあり、もしAppleがデバイスのデフォルトにすると、Googleの市場シェアは1日で20から30%急落する可能性があります。

 とは言え、以前i-phoneでやらかしたガンダム駅事件で、ユーザーが一斉にGoogleMapをインストールしたことを考えると、この線でのリスクは低いと言えるかもしれません。


広告出し過ぎ問題

Too Many Ads
Hands off my tags! Michael GaidaによるPixabayからの画像

 マーケットシェアは92%であり、ほぼ市場を毒性しているものの、ユーザー数の増価ペースは徐々に減速の傾向にあります。企業の成長が求められるアメリカ上場企業であるGoogleは、この頭打ちをブレイクスルーするために、広告スペースを増やす試みに出ていますが、これはユーザーが返ってアドブロックを入れるとか、Brave browserを使って広告を非表示にすると言う対応を引き起こしています。この動きが加速すると、検索でお金を稼いでいる訳ではなく、検索結果の広告で利益を稼ぐGoogleにとっては大きな痛手になります。

本記事は以下のブログを見てインスパイアーされて書きました

https://dkb.blog/p/google-search-is-dying

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