生産性3倍を実現する?エンタープライズ用途としてのGPTの活用方法とは

a robot holding a cup

GPT4の登場でGPT戦争狂乱時代へ

 今週も2023年3月15日にリリースされたGPT4が注目を集め、いかに日本初でGPT4を搭載した〇〇をリリース出来るか?と言う競争が繰り広げられました。

 一番乗りはTopaz合同会社さんで、2023年3月17日 19時30分に出したプレスリリースで、「カスタマイズされていないOpenAI社GPT-4が無料登録ですぐ使えるWebサービス」として日本初の提供となります。(自社調べ 2023年3月18日) という何とも未来予測なプレスリリースを出していらっしゃったレベルでした。一部界隈では、GPT3.5とGPT4の比較をしたがる傾向も強かったため、若干バズったのかもしれませんし、無料で使えるツールからの有料コンバージョン率によっては成長するかもしれません。

 B2C領域における生成AI(GPT)技術は、インプットにしている著作権関連での司法判断が下るまでは、実際には危なっかしい技術ではありますが、キャズムを超えている感もあるため、自然に成長していくと推測しています。(とは言え、インターネットにおける検索技術が普及した流れとはまた別の話になる点は、過去記事で再三お伝えしてきている通りだと考えています)

 とは言え、Bing Searchが既にMicrosoftのブログで、3月15日にはGPT4で稼働している事がリリースされているだけに、『自社調べで日本初!』と言うプレスリリースはいかがな物かと、、、昔新聞の査閲・校閲担当の皆様に泣かされてきていた私達の世代ですと、頭が痛い思いでいっぱいになります。

 今回は、パナソニックコネクトさんが先行している感のある、エンタープライズ内でのGPT利用に絞ったお話をしてみたいと思います。

 尚、パナソニックコネクトさんでは、『ConnectGPT(パナソニックコネクトさん社内でのGPTの事の様子)が2月17日のリリース以降、多くのパナソニックコネクト社員が様々な業務でご活用されているとの事で、質問回数も2か月で16万件になっている』との事

社員数が、約28,500名との事なので、2か月間で平均6回弱利用いただけ…orz

サービス対象範囲を絞ってのリリースなのかもしれませんね!

 尚、チャット系のサービスをエンプラでインプリ失敗した場合、初動で利用数が跳ねる割に、『パンツの色は何色?』と聞いて回答が返ってこない→使うの辞めると言う(セクハラ問題になりかねないのですが、AIエンジニアがチャットボットに投げかける問が、実は共通している問題があったりします)謎の現象がありますので、製品リリースする際はお気を付けください。

法人での生成AIの活用エリアを考える

 GPTは自然言語処理技術の最先端として注目を集めているだけではなく、エンタープライズ用途でも様々な活用が期待されています。今回は、GPTのエンタープライズ用途での活用方法について考察します。

自動応答システムの構築

 GPTを用いた自動応答システムを構築することで、顧客対応や問い合わせ対応などの業務効率化が可能になります。GPTによって、自然言語での問い合わせに対して適切な回答を自動的に生成することができます。つまり、Watsonの頃に流行ったChatBOTの最新版とイメージしていただくと良いと思います。同時に、利用率が高い場合には、GPTによって生成された回答を蓄積し、学習させることで、回答の精度を高めることも可能です。

 トレードオフで過疎った場合は、人気が一気に下がって『使われなくなる』ケースが散見されるため、導入計画はしっかりと立てる事が望まれます。インプリ方法としては、Bing Searchのように、社内検索を行った結果を『GPTを活用して要約する』方式を取る、Chrome - addinでインプリされているようなインターフェースにして、検索クエリの横にGPTのアウトプットを表示する形式を取ると、検索機能は使われない事がないため、必ず高い利用率と定着に結び付ける事が可能です。

 注意点としては、クエリに対する課金が跳ね上がる事で高額な利用料が請求される可能性がありますので、ご注意ください。

    マーケティング活動の強化

     GPTを用いた文章生成によって、ブログ記事やSNS投稿などのマーケティング活動を効率化が可能です。GPTによって生成された文章は、人工的に作成されたものと比較してより自然で読みやすく、より多くの人々にアピールすることができます。また、GPTを用いたキーワード分析によって、SEO対策やコンテンツマーケティングの戦略的な展開が可能となります。

     逆にこの領域での利用は、無限のコンテンツ生成が発生する事でDeNAさんのWELQ問題事件と類似の事象を引き起こしかねず、前々からGoogleさんがコードレッドを発令していた理由も、実はここにあると推測いたしております

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    知識ベースの構築

     GPTを用いた文章生成によって、企業内の知識ベースを構築することも可能です。GPTによって生成された文章は、高い精度で専門用語や業界用語を用いた文章が作成できるため、専門的な知識を持つ人材が限られている場合でも、知識の共有や蓄積を効率的に行うことができます。

     実はこの領域は地味ではありますが、応用範囲が無限に存在すると考えており、自然言語処理の沼中の沼である、企業内オントロジー辞書の構築に適応する事が出来るのではないかと考えている次第です。

    AIアシスタントの開発

     GPTを用いたAIアシスタントを開発することで、業務の自動化や効率化を実現することができます。AIアシスタントは、例えば、会議のスケジュール調整や業務のアドバイス、顧客情報の収集など、様々な業務に対して自動的に対応することができます。また、AIアシスタントを用いた業務は、人的ミスや疲労のリスクを減らすことができます。

     この領域に関していうと、Microsoftさん、Googleさんにお任せしたい領域であり、今一つ使いにくかったOutlookの会議スケジュールの調整や、さらに絶望レベルなGoogle Calendarでのスケジュール調整の機能が改善してくれる事を祈るだけになります。この領域に会社毎に取り組んだ所で研究開発費をPAY BACKすることは、あり得ないでしょうし、開発したところで、Microsoftさん、Googleさんが製品化してくれれば、十分な領域なので、機能リクエストを2社に送って気長に待つのが良策だと思慮します。

    製品・サービスの改善

     GPTを用いた自然言語処理によって、顧客からのフィードバックを自動的に解析することができます。GPTを用いることで、大量のフィードバックを短時間で処理し、顧客の声を的確に把握することができます。その結果、製品・サービスの改善につなげることができます。

     具体的に言うと、フリーテキストを要約してもらう。数量が集まった状態で、まとめて貰う等の部分はGPTが得意とする領域となるため、活用すると良いでしょう。とは言え、アンケート内のお宝は、N=1だったりすることがありますので、人間が軽くでも良いので流し読みで全文にさらっと目を通すのが必要になるかもしれません。

     逆に他の人と違う事を言っている特殊なお客様の声だけを抽出して、それだけを人間が読む、というインプリを行うと作業効率が上がるだけではなく、ビジネスモデルすら変える優良なお客様の声を発見する事が出来るかもしれません。

     ※尚アンケートに回答してくれる人は、回答する段階で一程度のバイアスがかかっているため、このバイアスを行動ログデータ等から調整するテクニックや手法を用いる事は必須になりますので、もしどうやったら?等でお悩みがあればご相談下さい

    顧客の嗜好やニーズの把握

     GPTを用いた文章生成によって、顧客の嗜好やニーズを把握することができます。GPTを用いることで、顧客が検索するキーワードや、顧客が好む言葉などを把握することができます。これらの情報を元に、顧客に合わせた商品やサービスの提供が可能となります。

     とは言え、この領域は検索クエリのクエリ解析のほうが効率的なので、まず実行する場合は、検索クエリ解析になる理解です。検索クエリ解析を行った後、余力があれば、GPTを用いる事も考えられますが、人間は検索クエリを作る段階で、工夫をしてしまう事と、解析したところで、人間が考えるクエリ癖問題があるため、優先順位は高く出来ないかもしません。

    自然言語によるデータ分析

     GPTを用いた自然言語処理によって、データ分析を効率化する事が可能です。GPTを用いることで、大量のデータを自然言語で分析することができます。これにより、企業はより早く的確な分析結果を得ることができます。

     先ほどのオントロジーでもありましたが、既存の自然言語分析技術をGPTを活用しながら補う事で、今までどうしても実現できなかった(人間の作業量が多すぎて大変だった部分)を効率的に処理する事が出来ると考えています。

    まとめ

     以上のように、GPTはエンタープライズ用途でも様々な活用が期待されています。これからますます進化が進むことが予想され、今後も多くの企業での活用が期待されます。

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