ザ・モデル型営業のデメリットとは?日本だけで流行している秘密と注意点を赤裸々公開

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ザ・モデルとは

ご本家(salesforce.comさんのサイト)で解説があるので、そちらをご参考にしていただければ幸いです。

https://www.salesforce.com/jp/hub/sales/the-model/

 当職が在籍していた時代(まだSFDCが恵比寿にofficeがあったころです)は、営業用のPowerPointで人気のあるコンテンツの1つではありました。
 当時は、『SFA(営業支援ツール)を使う』事自体が日本国内に馴染んでいない時代だったこともあり、また、『インサイドセールスがリードを案件化して(全く興味を持っていないお客様を買う寸前の所まで育てて)、営業に渡してクロージングする』というモデルが新鮮で、お客様も『その仕組みが欲しいです!』と言ってもらって、営業契約に持って行ったという思い出もありますね。

 当時インサイドセールスの部長さんが(在籍時代にVPになっていた気もしますが)Marketoに転職されて、その際に出した書籍が

 そのまんまのザ・モデルになります。
 実は、当時のSalesforce社は、Globalでは、Value Sellingという営業理論を利用していたので、実際は、ザ・モデルというのは日本国内だけで、インサイドセールス側が呼んでいた呼称というお話になりますでしょうか。(当時は名前もなかった気がします)

ValueSelling

参考の読み物としては、下みたいな企業様で導入されると非常に良いモデルになるのかな?と思ってみたりします。

 恨まれると思うので、この営業部長さんが誰かを分かる人だけニマニマしていただければ幸いです。

 当時の私は、EBR(500人以上の大手企業向け)新規コールドコール組(リードそのものがない企業リストを作成して電話をするという辛い組)からスタートして、SR(インバウンドコールがある組)の手伝いをしておりまして、当時の戦績としては、作成案件制約金額がグローバル1位(2位と比較して2~3倍の売上)、月間案件作成数も40件~60件位だったような記憶があります。(当時のノルマが20~30だったような)
 ※少し盛っていたり記憶改ざんされていたらすみません。

営業理論大別

そもそも論ですが、SFDCをはじめとする外資系企業は、『営業理論』が化学化されていまして、B2B系を大きく分けると

  • TAS(Tatget Account Selling(営業マン1人が10社位のターゲットアカウントを持ち、全社に販売を行うタイプ)
  • Solution Selling(1商談完結型のタイプ)
  • フリーミアムモデル(無料サービス系で販売まで営業が関与しないタイプ)

の3タイプに分類されます。
幸運な事に、私の場合、全種類を体験しているため、それぞれのメリットデメリットを把握していますが、一番得意な物はSolution Selling系になりまして、Value Selling/Solution Selling/Customer Centrice Sellingと一通り勉強した上で、Customer Centrice Sellingに至っては、自社用のコンテンツを全て日本語に翻訳しなおす&トレーニングをする立場にもなってました。

ザ・モデルが向いている営業モデル

 ザ・モデルは毎年売上が爆発的に伸びているSalesforceさんでもやってるし、読むと分かりやすいし、(営業資料なんだから当たり前)すぐ弊社でも取り入れたい!という企業様が多く発生するのも理解できるところではありますが、SFDCでこの『モデル』を使っている対象顧客って…CS(中小企業相手の組織)だけだった上に、営業対象商品もSFAほぼ一択で、当時は見積管理機能無し、消込機能無し(カスタマイズしまくって利用されてるお客様はいらっしゃいましたが)、大量メール発信機能無し※という時代だった訳です。
 ※1回の配信あたり500通まではマスメール送付可能だったので、当時は『秋山泉』さんから謎のメールを見込み顧客に月に2回お送りしていましたが…

salesforce (JAPAN)のThe Modelより


 つまり、ビジネスモデルとしては、Solution Selling型(営業が介在して『売る』をやらないと売れない)、商談回数少、リード発生数多(トライアルとかありますので)という前提があって初めて機能する営業ロールモデルであるという点が重要だったりします。
 逆にリードがないとか異様に少ない、取引先が数社に限定されていて、売上の大半は既存顧客内での面積を広げるタイプの営業にはこのモデルが向いていないのは自明で、そういうケースではTASを検討いただくのがスムーズです。

 Solution Selling系の前提知識がないと、組織への組み込みが難しくなるのですが、Solution Selling系の前提知識はMichael T. Bosworthさんが提唱されてはライツを教育会社に売って、名前を変えて類似品を作るという謎な歴史があるので、実は1つの方法なのですが亜種が山ほど生み出されるという謎構造が米国で発生している点も不思議な事象です。
 また、Solution Selling自体は若干難しい事もあり、各社の商材や販売スタイルに合わせたカスタマイズと、初動1週間程度のトレーニング期間が必要で、定期的なメンテナンスも必要だったりします。

 さて、テレアポを主体としていた日本の『内勤営業・テレセールスという存在』と比較すると結構レベルは異なるのですが、猿真似しようとすると、色々なハードルにぶつかる事は自明だったりするのですが、いかんせん、Solution Selling系の商談ステージ管理は哲学的な側面があり、今一つ日本国内で流行しなかった印象があります。似たような~SELLING系で行くと、日本では、SPINがありますが~ SELLING系の方法論は米国では雨後の筍状態で数年に1度新しい物が出てくるので本当に頭が痛いです。実際、内容はほぼ変わりがなく、『SPINとかBANTとかの略語だけが変わっている』状態で、書籍の内容もほぼ完全丸コピーという事が大半だったりするのは楽しい点ですね。

BANTフレームワーク

 SFA導入時、日本にはまだ『テレアポを主体としていた内勤営業・テレセールスという存在』しかなく、丁度そのタイミングで流行したBANTフレームワークという物が日本人の心を鷲掴みにしてしまったようです。
 BANTと言うのは、SPIN/Solution Selling/CCS/Value Sellingにおける1要素でしかなく、『商談を評価する時』の構成要素でしかないのですが…気づいた時には、フレームワークにまで昇格していた様子があります。
 Salesforceさんの『クロージングとは?営業の流れからコツ・テクニックまで例文付きで解説』にもある通り、あくまでも、商談後半での社内での確認プロセスである事を理解する必要があります。

B:Budget(予算)
A:Authority(決裁権)
N:Needs(需要)
T:Time frame(導入時期)

 BANTを常に全面に出してくる営業マンがいたら、、、そんな会社から物やサービス買いたくないですよね?と思うのは私だけでしょうか。逆にAI・DXの導入を支援する会社に在籍していた時、営業マンがBANT情報を全く把握してないケースは多かったので本当に頭が痛かったのは記憶に新しい所です。(BANTだけなら単純なのですが、お客様の社内稟議フロー、それぞれのリードタイム等のヒアリングが全くできない事は多い気がします)
 営業部、営業部の部下が、この情報を把握できていない場合は、この商談は今期決まらないな、とか、導入希望時期は決まっていて予算取りがまだ、である場合は、決裁者との握りがどうなっているか等を確認していくという方法においては非常に有効になります。

 記事書き出しの時、BANTの大罪 としていたのですが、BANTそのものには何の罪もないよな?となり、、、じゃぁどこでこの不幸が発生したんだろう…となりました。

クロージングとは?営業の流れからコツ・テクニックまで例文付きで解説 | セールスフォース・ジャパン

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真犯人

MQLやらSQLと言う言葉が同時に輸入されたとき、何故かインサイドセールスが商談登録するための条件とされていたのがBANTで、『BANT条件が揃ったら商談』という決めが諸悪の根源だった事が分かります。

「Opportunity(営業が社内で決められた条件(BANT条件など)が揃い、案件登録できると判断したもの)」

https://jp.marketo.com/content/ma-sql-mql.html

が肝だった訳でした。

Marketo商談ステージの考え方


 インサイドセールスから外勤に渡す段階で、BANTの内、予算と導入時期が決まっていたら、外勤に渡す段階で契約は『成立』しています。こんな状態であれば、外勤にお願いしないでも契約出来ちゃいますよね?と思った方は、、、営業経験があると思います。
 マーケティング部さんが、好んでこの指標を使おうとするのは、本当にどうにかなってほしいですね。

本来のあるべき顧客との接点の持ち方

 外資系企業様のセミナー登壇をした時に、参加者リスト一覧見せてください!と営業の方に聞いてみると、『最近は参加者リストそのものがMAに入れられてて、営業部側はリードスコアが一定数にならないとみる事すら出来ないんですよね』というお話をお伺いして頭をかかえた事があるのですが、完全に『分業による弊害』になっているのが分かるかと思います。

リードスコアの闇

 MAのセールストークの中に、必ずと言ってよいほど登場するのが、リードスコア
これもまた、Marketoさんの資料内にある、以下の文章に引っ張られている気がします。

MQL:購買状況がある程度進んでいる見込み客。リードスコア100位上などの基準で絞り込みを行う

Marketo資料より


 リードスコアの闇はいつか記事にしたいと思いますが、基本、『資料a~zをn回以上見た、特定のランディングページにアクセスした』等として、マーケ部さんが、MQLを増やしたくなった結果、条件を緩和して、ゴミMQL(昔はゴミリード・糞リードと呼ばれていた物)が量産される事が多く(私がインサイドセールスをやっていたころは、展示会に参加して、SIベンダーさんが一社あたり200人x5社で1,000人参加!リードいっぱい!ヒャッハー!となったことあり、全てステータスを『ゴミ』に変えて社内で大問題になった事はありました)
 イントロだけ書くと、MAツールを導入した事で、売上を半減させた!という輝かしい事例も目の当たりにしています。(私の部門じゃなくて本当に良かった)
 逆に、分業化が行き過ぎて、リードのタイミング、MQLのタイミングでは外勤営業に参照権限がない、等があると、ある程度以上のマスを相手にする、マーケティング部では1社1社の個別要求・ニーズを満たす事が出来ないので商談機会を逸する事になります。

まとめ

  • ザ・モデルを導入したいのであれば、必ず~SELLINGに関する書籍は1~2冊読む(英語しかない気がしますが)
  • マーケティング部からインサイドセールスへの引き渡し条件にリードスコアを用いない
  • インサイドセールスから外勤営業への商談引き渡しにBANT条件を入れない(やり方どうするの?はおいおい)
  • マーケティング部と見込み・顧客とのお付き合いは一生定期的に続く物

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インサイドセールス部門を立ち上げたい、MAの導入を検討したい
インサイドセールス部門を立ち上げた、MAを導入したがうまくいっていない

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